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認知症を知ろう

〜 正しく理解して、安心して暮らすために 〜

認知症とは

認知症は「脳の病気」です。年をとれば誰にでも起こりうるもので、決して特別なことではありません。脳の神経細胞がダメージを受けることで、記憶や判断力などの認知機能が低下し、日常生活に支障が出る状態をいいます。

日本では65歳以上の約5人に1人が認知症またはその予備群といわれています。とても身近な病気です。

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加齢による「もの忘れ」

体験の一部を忘れる。「昨日の夕食のおかずを忘れた」など。ヒントがあれば思い出せることが多いです。日常生活には大きな支障はありません。

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認知症の「もの忘れ」

体験そのものを忘れる。「昨日夕食を食べたこと自体を忘れる」など。ヒントがあっても思い出せません。日常生活に支障が出てきます。

💡 早期発見・早期治療が大切です

認知症は早い段階で気づくことで、治療やケアの選択肢が広がります。「おかしいな」と感じたら、ためらわずに専門の医療機関にご相談ください。早めに対応することで、ご本人もご家族も、より安心して暮らす準備ができます。

🔬 認知症の有病率と今後の推計

厚生労働省の推計によると、2025年には認知症の人が約700万人に達するとされています。高齢化に伴い、今後もこの数は増加すると見込まれています。認知症は社会全体で支える時代です。「認知症になっても安心して暮らせる社会」づくりが進められています。

認知症の種類

認知症にはいくつかの種類があります。タイプによって症状や経過が異なるため、正確な診断が大切です。

約60〜70%

アルツハイマー型認知症

最も多いタイプです。もの忘れから始まり、ゆっくりと進行します。脳にアミロイドベータというタンパク質がたまることが原因と考えられています。

約15〜20%

レビー小体型認知症

幻視(実際にはないものが見える)、パーキンソン症状(手のふるえ、体のこわばり)、認知機能が日によって変動するのが特徴です。

約10〜15%

血管性認知症

脳梗塞や脳出血のあとに起こります。段階的に進行することが多く、障害される脳の部位によって症状が異なります。生活習慣病の管理が予防につながります。

その他

前頭側頭型認知症

性格や行動の変化が目立つタイプです。社会的なルールを守れなくなったり、同じ行動を繰り返したりします。比較的若い年齢(50〜60代)で発症することもあります。

認知症の症状

認知症の症状は「中核症状」と「行動・心理症状(BPSD)」の2つに分けられます。

🧠

中核症状

脳の障害から直接起こる症状

  • 記憶障害(新しいことが覚えられない)
  • 見当識障害(日時・場所・人がわからなくなる)
  • 判断力の低下
  • 実行機能障害(段取りがつけられない)
💭

行動・心理症状(BPSD)

環境やこころの状態で現れる症状

  • 不安・焦燥
  • うつ状態
  • 幻覚・妄想(「物を盗まれた」など)
  • 徘徊
  • 睡眠障害
  • 暴言・暴力(本人も苦しんでいます)

💡 行動・心理症状は改善できます

行動・心理症状(BPSD)は、環境の調整や適切なケアで改善できることが多いです。ご本人の不安やストレスに寄り添い、安心できる環境を整えることが大切です。お困りのときは、主治医やケアの専門家にご相談ください。

認知症のお薬

現在、認知症の進行を遅らせるお薬がいくつかあります。

💊 現在使われている主なお薬
商品名 一般名 特徴
アリセプト ドネペジル アルツハイマー型・レビー小体型に使用。最もよく使われるお薬です。
レミニール ガランタミン アルツハイマー型に使用。吐き気が出にくい方もいます。
イクセロン/
リバスタッチ
リバスチグミン パッチ(貼り薬)タイプ。飲み薬が苦手な方に向いています。
メマリー メマンチン 中等度〜重度のアルツハイマー型に。興奮やイライラにも効果があります。

お薬についての大切なポイント

  • 認知症を「治す」薬ではなく、「進行を遅らせる」薬です
  • 効果には個人差があります
  • 副作用(吐き気、食欲不振、眠気など)が出たら、主治医にご相談ください
  • 自己判断でやめないことが大切です
🔬 新しい治療薬について

近年、アルツハイマー型認知症の原因物質(アミロイドベータ)を除去する新薬「レカネマブ(レケンビ)」が承認されました。早期のアルツハイマー型認知症が対象で、進行を抑える効果が期待されています。対象となる方や使用条件について、詳しくは主治医にお尋ねください。

ご家族の方へ

認知症のご家族を支えるのは、とても大変なことです。接し方のコツを知ることで、お互いに楽になれることがあります。

こうするとうまくいきます

  • 否定しない(「さっき言ったでしょ」は禁句)
  • ペースを合わせる(急かさない)
  • できることを一緒にする(全部やってあげない)
  • 本人のプライドを大切にする
  • 安全な環境を整える

こんな言葉は控えましょう

  • ❌ 「何回言ったらわかるの」
    何度でも初めてのように接しましょう
  • ❌ 「間違ってる!」
    さりげなく正しい方向に導きましょう
  • ❌ 「もうできないでしょ」
    できることに目を向けましょう
がんばりすぎないでください。
あなたの健康が最も大切です 🌸

介護する方が倒れてしまっては、ご本人を支えることができません。自分を大切にすることは、決してわがままではありません。

介護する方のセルフケア

  • レスパイトケア(一時休息)を積極的に利用しましょう。デイサービスやショートステイなど、介護から離れる時間を作ることが大切です。
  • 介護者同士のつながりを持ちましょう。同じ経験をしている方と話すことで、気持ちが楽になります。
  • 自分の時間を意識的に作りましょう。趣味や散歩、友人との会話など、自分のための時間を大切にしてください。
  • つらいときは、遠慮なく専門家に相談してください。介護者向けの相談窓口もあります。

相談先・サポート

認知症のことで困ったら、一人で抱えず相談してください。さまざまなサポートがあります。

予防のためにできること

認知症を完全に防ぐことは難しいですが、リスクを減らすためにできることがあります。毎日の生活の中で、少しずつ取り入れてみましょう。

🚶
運動

ウォーキングや体操を習慣に

👥
社会参加

人との交流を大切に

📚
知的活動

読書・パズル・趣味

🥗
バランスの良い食事

野菜・魚・果物を意識して

😴
十分な睡眠

質の良い睡眠を心がけて

🩺
生活習慣病の管理

糖尿病・高血圧の治療を継続

🌸 認知症になっても、できることはたくさんあります

認知症と診断されても、すべてが急に変わるわけではありません。趣味を楽しんだり、好きな場所に出かけたり、大切な人と過ごしたり——これまでと変わらない暮らしを続けられることがたくさんあります。「認知症=終わり」ではありません。周りのサポートを受けながら、ご自分らしい生活を続けていきましょう。

📚

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