🧑💼
管理職・リーダーの方へ
ラインケア
部下のこころの不調に気づいたら
「最近、あの人の様子が気になる」——その気づきが、ラインケアの第一歩です。
気づく・声をかける・つなぐの3ステップと、あなた自身のケアをまとめました。
🌱 ラインケアってなんでしょう
ラインケアとは、上司やリーダーが、部下のこころの健康に気を配ることです。
国が定める「職場のメンタルヘルス4つのケア」の一つで、管理職の大切な役割とされています。
といっても、むずかしいことをする必要はありません。
あなたに求められるのは「いつもと違う」に気づいて、声をかけて、専門家につなぐこと。
診断したり、カウンセラーの代わりになったりすることではありません。
だいじなこと: 部下のこころの問題を、あなたひとりで解決しようとしなくて大丈夫です。
「つなぐ」まででラインケアは十分に役割を果たしています。
👀 ステップ1: 「いつもと違う」に気づく
ポイントは、その人の「ふだん」と比べることです。
医学的な知識は必要ありません。こんな変化が2週間ほど続いていたら、気にかけてみてください。
- 遅刻・早退・欠勤が増えた(特に月曜や連休明け)
- ミスや納期遅れが目立つようになった
- 口数が減った、あいさつをしなくなった
- 表情が乏しい、笑わなくなった
- 服装や身だしなみに気を配らなくなった
- 昼食を抜く、食欲がなさそう
- 残業が急に増えた、仕事を抱え込んでいる
- ささいなことでイライラする、涙もろくなった
コツ: 「うつ病かも」と病名で考えなくて大丈夫。
見るのは「いつもとの違い」だけです。判断は専門家に任せましょう。
💬 ステップ2: 声をかける・聴く
気になったら、まず声をかけてみましょう。
特別な言葉はいりません。「最近眠れてる?」「なんだか疲れているように見えるけど、大丈夫?」で十分です。
場所とタイミング
- ほかの人に聞かれない場所で(会議室・個室など)
- 時間に余裕があるときに(急かさない)
- 「5分だけいい?」と負担の少ない形で切り出す
聴くときのコツ
アドバイスよりも、まず聴くことが支えになります。
さえぎらない・評価しない・結論を急がない。この3つだけ意識してみてください。
🌸 こころが軽くなる言葉
- 「話してくれてありがとう」
- 「それはつらかったね」
- 「よく続けてこられたね」
- 「一緒に考えよう」
⚠️ 避けたい言葉
- 「気の持ちようだよ」
- 「頑張れ」「甘えじゃない?」
- 「自分の若い頃はもっと…」
- 「みんな大変なんだから」
励ましのつもりの「頑張れ」も、すでに頑張りすぎている人には重荷になることがあります。
うまく言えなくても、そばで聴く姿勢そのものが伝わります。
🤝 ステップ3: 専門家につなぐ
話を聴いて「これは疲れているだけではなさそうだ」と感じたら、専門家へつなぎましょう。
1
社内の相談先へ
産業医・保健師・人事労務の担当者など。「産業医の先生に一度話してみない?」と提案してみましょう。
2
医療機関をすすめるとき
「眠れていないなら、一度お医者さんに相談してみるのはどうかな。行きやすいように調整するよ」——
責めずに、受診しやすい環境を整える言い方が助けになります。
3
つないだあとも、見守りを
「あとは任せた」ではなく、業務量の調整やさりげない声かけを続けてください。
すぐに動いてほしいサイン:
「消えてしまいたい」「死にたい」という言葉、身辺整理、急に穏やかになる——
こうしたサインがあるときは、ひとりにせず、その日のうちに産業医・医療機関・地域の相談窓口へつないでください。
🏠 休職中・復職してきた部下への接し方
休職中
- 連絡の窓口と頻度を決めて、最小限に(本人の回復を最優先)
- 「仕事のことは心配しないで、ゆっくり休んで」と伝える
- 職場の様子を細かく知らせない(焦りにつながります)
復職してきたら
- 業務量は主治医・産業医の意見に沿って段階的に
- 腫れ物にさわる扱いをせず、ふつうに接する
- 「調子はどう?」と定期的に短い面談の機会をつくる
- 再発のサイン(ステップ1と同じ)に気を配る
🌸 あなた自身のケアも、忘れずに
部下を支える立場のあなたも、悩んだり疲れたりして当たり前です。
「管理職なんだから」と抱え込まないでください。
対応に迷ったら産業医や人事に相談していいですし、
あなた自身の眠れない日が続くようなら、それはあなたが休むサインかもしれません。
当院の受診も、いつでもどうぞ。
支える人が倒れないことが、チーム全体のいちばんの安心につながります。